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最近、役員のなり手が不足しており、輪番制を維持するのが難しくなってきました。特に小規模マンションでこの問題が深刻だと聞きましたが、私たちのマンションもまさにその状況です。何か解決策はありますか?
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ご指摘の通り、小規模マンションにおいては居住者の高齢化や部屋の賃貸化が進むとともに、役員のなり手不足が顕著になる傾向があります。まずは、現状を詳しく把握することが重要です。規約・細則の内容を改めて確認し、過去の総会や理事会での決議、慣習となっている事項などを洗い出すことから始めましょう。その上で、理事会内で問題点を共有し、具体的な対策を検討していくことになります。
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規約や細則を見直すことで、役員のなり手不足を解消できる可能性があるのでしょうか?
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はい、規約や細則の見直しは、役員のなり手不足解消のための重要な手段の一つです。例えば、役員の資格範囲を拡大する、任期を見直す、立候補信任制や推薦制などの新たな選出方法を導入する、役員への謝礼・報酬の支給を検討するといった対策が考えられます。横浜市の小規模マンション対応型モデル管理規約も参考になるでしょう。
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役員の資格範囲を拡大すると具体的にどのような人が役員になれるようになるのでしょうか?
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現在の規約における役員の資格要件によって異なりますが、例えば、居住者である区分所有者に限定されている場合、賃貸に出している部屋のオーナーの方や、マンションに住んでいない区分所有者の方にも役員の資格を広げることが考えられます。ただし、資格範囲の拡大は組合員の権利にも関わるため、慎重な検討が必要です。
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役員の任期はどのくらいが適切なのでしょうか?また、見直す際の注意点はありますか?
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資料には任期2年、半数改選制の導入が提案されています。標準管理規約第36条コメント②にも役員の任期に関する記載がありますので、参考にすると良いでしょう。任期を見直す際は、役員の負担軽減と、組織の継続性のバランスを考慮することが重要です。
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役員に謝礼や報酬を支払うことは、なり手不足の解消に繋がりますか?もし支払う場合、どのような点に注意すべきですか?
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員への謝礼・報酬の支給は、役員のモチベーション向上や負担軽減に繋がり、なり手不足の解消に寄与する可能性があります。ただし、お礼・謝礼ではなく給与・報酬を支給する場合は税務措置に注意が必要です。標準管理規約第37条2にも役員への報酬支払いに関する記載があります。
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理事会として、役員のなり手不足解消に向けて具体的にどのような活動をすれば良いでしょうか?
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まずは、組合員に対して役員業務の内容や負担について丁寧に説明し、理解を求めることが大切です。また、参加しやすい開かれた理事会運営を心がけ、組合員の意見を積極的に取り入れる姿勢を示すことも重要です。近隣の類似したマンション管理組合の事例を調査することも参考になるでしょう。さらに、組合員への意識調査(アンケート)を実施し、役員に対する意向や意見を把握することも有効です。
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マンション管理士などの専門家に相談することも有効でしょうか?
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はい、マンション管理士は、規約の改正や細則の制定について専門的なアドバイスを提供することができます。また、管理者が不在の場合には、第三者としてマンション管理士を選任することも選択肢の一つです。専門家の視点から、現状の問題点や具体的な解決策について助言を得ることは、非常に有益と考えられます。
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規約改正や細則制定を行う場合、どのような手続きが必要になりますか?
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規約の改正は特別決議、細則の制定は普通決議がそれぞれ必要となります。具体的には、理事会で改正案・制定案を作成し、組合員への説明や意見聴取を行った上で、総会にて決議を行う必要があります。その後、規約集を作成し、組合員・占有者全員に配布することになります。総会議案書の作成にあたっては、モデル文案も提供されています。
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役員のなり手不足について、組合員全体の意識を高めるためにはどのような広報活動が考えられますか?
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役員なり手不足の問題は、マンション全体の維持管理に関わる重要な課題であることを、様々な機会を通じて組合員に周知することが重要です。例えば、掲示板への告知、回覧板での情報提供、総会や理事会での説明などが考えられます。また、アンケートを実施し、組合員の意見や協力を求めることも有効です。
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管理者を理事長ではなくマンション管理士にすることも検討できると聞きましたが、どのような場合に有効でしょうか?
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小規模で経年を経たマンションにおいては特に、理事長の負担軽減や専門的な知識の活用という観点から、管理者を理事長ではなくマンション管理士とすることが有効な場合があります。特に、役員のなり手不足が深刻な場合や、専門的な知識を必要とする管理上の課題が多い場合に検討する価値があるでしょう。ただし、管理者の変更は管理体制に大きな影響を与えるため、慎重な検討が必要です。